ユダヤの隠された叡智が天上のエネルギーを地上に降ろし豊かな財をもたらす①
【堀大河】世界!不思議探訪記
いまだ世に知られていない「宝具」を求めて訪ねたあまたの国々。そこで見て、聞いて、体験した出来事をつづる、スピリチュアルな探訪記です。
いまだ世に知られていない「宝具」を求めて訪ねたあまたの国々。
今回は、ユダヤ神秘思想〈カバラ〉に伝わる財の象徴━━
「カバラコイン〈シェファー〉」との邂逅をたどります。
カバラコインを求めて
━━ ロサンゼルスで出会った〈シェファー〉の継承者 ━━
出発前から、私はある一枚のコインの噂を追っていた。
「持つ者の意図と共鳴し、財の流れを変える」と言われる━━
カバラコイン〈シェファー〉
イスラエル商人の間で密かに語り継がれてきた“ユダヤの富の象徴”だ。

エルサレムのアテンダーを通じて、そのコインを継承するラビに連絡を取ってもらった。
しかし返ってきた答えはこうだった。
「彼は今、ロサンゼルスに滞在している」
海を越え、私は再び飛行機に乗った。
乾いた光の街、ロサンゼルス。
青空の下に伸びるヤシの並木の向こう。
静かな邸宅の玄関をくぐった瞬間、空気の密度が変わるのを感じた。

サミュエル・メナケム氏との対面

迎えてくれたのは、白いシャツに薄いグレーのスーツを纏った、穏やかな男性だった。
彼の名はサミュエル・メナケム。
ユダヤ神秘思想〈カバラ〉の研究者であり、カバラコイン〈シェファー〉の正統な継承者でもある。
「遠い国からようこそ。アイン・ソフ(無限)への興味は、言葉を超えて伝わるものです」
穏やかな声だった。
彼は自身の財布からカバラコインを取り出した。
「これがカバラコインです。
私の曾祖父エリエゼルから代々授けられたもの。
“意図が純粋である者のもとに、この図形は応える”
━━そう教わりました」

私は目を凝らした。
サミュエル氏の持つカバラコインは黒く、歴史を感じるものだった。
コインの中心から十二条の光が放射している。
金属の表面には微細な幾何学の文様が刻まれ、まるで呼吸しているような存在感を放っていた。
サミュエル氏は続けた。
「カバラの思想において、形は“祈りの言葉”です。
中央の円はアイン・ソフ——無限の光の源。
十二の光は創造の道筋。
人の意識がこの秩序と同調するとき、
富も、健康も、縁も——すべてが“流れ”として整うのです」
彼は微笑みながら、
「あなたがその流れを感じられるなら、それも導きです」と言った。
私は許しを得て、コインを掌にのせた。
予想よりも軽い。だが、不思議と温かい。
指先から淡い脈動のような感覚が広がっていく。
サミュエル氏はゆっくり頷いた。
「“財”とは、金銭ではなく“流れ”そのものなのです。
天の流れを信じる人に、物質が集まるのです。」
私は、その言葉に導かれるように深く息を吐いた。
するとサミュエル氏は、新しいカバラコインを棚から取り出し、私とアテンダーそれぞれにプレゼントしてくれました。

「このコインは、あなた方のものです。
アイン・ソフの流れは、未来へ“求める者”へ渡らねばならない。
それが、私たちの家に伝わる掟なのです」
その瞬間、掌の上の金属が微かに震えた気がした。
静謐な部屋の中で、まるで遠くの鐘が鳴ったような響きが、確かに聞こえた。
━━その夜。
ホテルの窓際にカバラコイン〈シェファー〉を置くと、
月光が金属の面を静かになぞった。
その輝きは、まるで次の行き先を示しているかのようだった。
数日後、アテンダーから一通の連絡が届いた。
「カバラコインの恩恵を受けた人物が、韓国にもいます。
サミュエル氏がかつて〈シェファー〉を授けた方だそうです」
偶然の報せに思えたが、不思議と心は落ち着いていた。
“流れ”はまだ途切れていない。
その光が、東方の地で何を映すのか——確かめてみようと思った。
━━では、次回。
「韓国篇:カバラコインが導いた月の翡翠」をお届けします。
2025年12月14日
