ユダヤの隠された叡智が天上のエネルギーを地上に降ろし豊かな財をもたらす②
カバラコイン〈シェファー〉の【堀大河】世界!不思議探訪記
いまだ世に知られていない「宝具」を求めて訪ねたあまたの国々。そこで見て、聞いて、体験した出来事をつづる、スピリチュアルな探訪記です。
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━━ 韓国篇:カバラコインが導いた月の翡翠 ━━
ロサンゼルスで〈カバラコイン・シェファー〉を手渡されてから、数週間が経っていた。
10月上旬、私は再び飛行機に乗っていた。
目的地はソウル。

きっかけは、あのアテンダーから届いた一通のメールだった。
「カバラコインの恩恵を受け取った人物が韓国にもいます。
サミュエル・メナケム氏がかつて〈シェファー〉を授けた、
クリスタルショップの経営者です。
彼は、その後、不思議な体験をしたそうです」
短い文面だったが、迷いはなかった。
ロサンゼルスで聞いた“流れ”の力が、
東方の地でどのように働いているのかを確かめたかった。
ソウル・石の店を訪ねて

10月のソウルは空が高く、風が乾いて心地よい季節だった。
古い市場を抜けた住宅街の一角、
控えめな看板を掲げた小さな石の店があった。
扉を開けると、壁一面にアメジストや翡翠、クォーツが整然と並び、
陽の光を受けて穏やかに光を返していた。
研磨前の原石も多く、静けさの中に長年石と向き合ってきた人の気配が感じられた。

迎えてくれたのは、店主のキム氏。
六十代半ばの穏やかな人物で、
レジの脇には〈カバラコイン〉が置かれていた。
真鍮の面に刻まれた幾何学の線が、照明を受けて微かに輝いている。
ひとつの出来事
話を聞くうちに、私はひとつの出来事に引き寄せられていった。
キム氏がカバラコインを手にしたのは数年前。
イスラエルの展示会でメナケム氏と出会い、
その思想に惹かれて譲り受けたという。

帰国後、特別な儀式をすることもなく、
ただ「店の流れが良くなれば」と思いながら、
コインをレジの前に置いた。
一週間後の水曜の夜。
十年以上通ってくる常連の老人が、
いつものように静かに店を訪れた。
だがその日は、手提げ袋を抱えていた。
袋の中には、厳重に包まれた翡翠がひとつ。
布を解くと、淡い緑の石が現れた。
複雑な曲線を描き、どこか月の輪郭を思わせる形だった。

その瞬間、キム氏は記憶を取り戻した。
若い頃、旅先の石屋で目にした翡翠━━
当時の価格でも日本円にしておよそ九十万円。
手に入れられなかったが、長く心に残っていた“あの石”だった。
そして今、その持ち主が目の前に立っていた。
お爺さんは静かに事情を語ったという。
「もう店もたたみ、身寄りもない。
三年前から病を患っていて、そろそろ入院する。
相続整理をしていたら、この石だけが出てきた。
あらゆるお店を回ったが、
この価値をわかるのはあなたしかいないと思う。
だから、お店に置いておいてくれ」
キム氏は何度も断ったが、
老人は「これは“返す”んです」とだけ言い残し、店を後にした。
翌週から、お爺さんを見ることはなかったという。
流れの変化
カバラコインと翡翠が店に来てから、
空気の澄み方が変わったとキム氏は語った。
売上や客足の話ではなく、
店全体の空間が静かに落ち着いたように感じたのだという。
私は店内を見回した。
レジの前に置かれた〈カバラコイン〉と、
棚の中央で淡く光を返す翡翠。
ふたつの存在が、静かに場の“流れ”を整えているように思えた。
ロサンゼルスでメナケム氏が語った言葉が思い出された。
━━「財とは、金銭ではなく流れそのものなのです」。

西の地で始まった“流れ”が、東の地で再び巡り、形を変えて結ばれていく。
それは偶然という言葉では片づけられない、見えない秩序のようなものだった。
夜、ホテルの机に自分の〈カバラコイン〉を置いた。
窓の外に浮かぶ月が、金属の面を静かに照らしている。
私は韓国で見た“月の翡翠”の淡い色を思い浮かべながら、
ひとつの巡りが完結したことを感じていた。
こうして、〈カバラコイン〉をめぐる旅はひとつの区切りを迎えた。
しかし、“流れ”は止まらない。
世界のどこかで、また誰かがこの円盤を手にしているかもしれない。
━━次の導きは、どんな形で現れるのだろうか。
お楽しみに。
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前編を読む:
ユダヤの隠された叡智が天上のエネルギーを地上に降ろし豊かな財をもたらす① ━━ ユダヤ神秘思想〈カバラ〉に伝わる財の象徴━━
2025年12月14日
