ブラジルで時速100キロで飛行する空飛ぶ円盤が目撃される
「車と同じスピードでした」

ブラジルにて時速100キロで飛行する空飛ぶ円盤が撮影され、SNSで注目を集めている。ブラジルメディア「コヘイオ・ド・インテリオール」が先日、報じた。
UFOは、走っていた車とほぼ同じ時速100キロで飛行していたという。
(出典元:https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/372725)
何年も前のことになるが、この記事を見てブラジルへ渡った時のことを思い出す。
サンパウロから北へ数時間、赤土の道を揺られながら私は思った。
なぜ「UFO」という言葉が、これほど自然にこの国では日常会話に溶け込んでいるのか――。
ブラジルはサッカーとカーニバルとコーヒーの国である以前に、UFOと神秘の国でもある。
夜のアマゾンは、闇が深い。星は日本よりも低く、近く、そして不穏に瞬いている。地元の漁師は、私にビールを勧めながらこう言った。
「あれは飛行機じゃない。昔から“彼ら”は来ている」。
彼の指差す空には、音もなくジグザグに動く光点があった。
ブラジルにおけるUFO目撃は、単なる都市伝説ではない。1977年、アマゾン奥地コラレス島で起きた「オペラソン・プラート(皿作戦)」は、今も語り草だ。夜空から現れた光線が住民を襲い、火傷や貧血、記憶障害を引き起こしたとされる事件で、ブラジル空軍が公式に調査に乗り出した。後年、関係軍人は「説明不能な飛行物体を確認した」と証言している。
だが、ブラジルのUFO事情を単なる軍事・科学の文脈だけで語ると、肝心なものを見落とす。それがオカルトと信仰だ。
ブラジルでは、UFOは「宇宙人の乗り物」であると同時に、「霊的存在の顕現」として理解されることが多い。カトリック、アフリカ由来の精霊信仰(カンドンブレやウンバンダ)、そしてスピリチズムが混ざり合うこの国では、異界との接触は特別なことではない。UFOは天使であり、精霊であり、進化した存在なのだ。
ミナス・ジェライス州で出会ったUFO研究科であり霊媒師でもあるカルロイスは、こう語った。
「彼らは機械に乗って来るのではない。意識の次元を超えて現れる」。
彼女の集会では、UFO体験者と霊的覚醒を語る者が、同じ円座に座っていた。科学とオカルトの境界は、ここでは驚くほど曖昧だ。
1986年、ブラジル上空で21個のUFOがレーダーに捕捉され、空軍戦闘機がスクランブル発進した事件がある。これは公式記録として残っているが、街角の酒場では、別の解釈が語られる。「あれは警告だった」「人類の精神レベルを測っている」。事実よりも、意味が重要なのだ。
ブラジルのUFOは、恐怖の対象であると同時に、希望の象徴でもある。貧困、暴力、政治不信――現実が過酷であればあるほど、人々は空を見上げる。そこに現れる謎の光は、「この世界はまだすべてが分かっていない」という救いなのかもしれない。 カルロイスを取材した最後の夜、私はリオ郊外の丘で星空を見ていた。突然、白い光が一瞬、空を裂くように消えた。幻覚か、錯覚か、それとも――。答えは出ない。ただ一つ確かなのは、ブラジルではUFOは現象ではなく文化であり、科学とオカルトの狭間で、今日も静かに目撃され続けているということだ。
2026年02月18日
