[ベトナム] 魂の絵“ティンジャー”①
文=目黒 聡
━━ 洞窟で生まれた霊の絵 ━━
前回、ベトナムの山あいに“霊界へ行ける女”がいるとお話ししました。
その名はナリ師。
彼女を訪ねて、私はチャソン村からさらに北へ、
舗装もされていない赤土の道を進みました。
道の両側には熱帯の森が広がり、
ときおり聞こえるのは鳥と風の音だけ。
その静寂の奥に、ナリ師の庵はありました。
━━ 赤い目隠しの修行 ━━
ナリ師は五十代ほどに見えましたが、
その目は驚くほど澄んでいて、年齢を感じさせませんでした。
「いまはまだ、修行明けの期間です」
そう言って微笑む声は、どこか透きとおるようでした。
彼女の修行は、三年に一度、半年間続くといいます。
真っ暗な洞窟の中で目隠しをしたまま過ごす——
食事は村人が入り口に置いた粥を一日一椀だけ。
洞窟の中では、目の代わりに“心眼”が開かれるのだと彼女は言いました。
「光を絶ち、声を絶ち、ただ神の息づかいだけを聞くのです」
修行の目的は、霊界「トゥー・フー」との通路を保つため。
ナリ師は生きながらにして、魂をその世界へ送ることができるというのです。
彼女が語るその世界は、静かで、青白く、
人がいないのにも関わらず、どこか生活感を感じる場所なのだそうです。
━━ 聖神カイ・ボランとの邂逅 ━━
ナリ師の霊力が目覚めたのは十七歳のころ。
修行中の森で、彼女は「カイ・ボラン」と名乗る聖神に出会いました。
この聖神は、古くからベトナム北部に伝わる守護神で、
風と火を司る存在ともいわれています。
「カイ・ボランは私に言いました。
“汝に目を与えよう。ただしその目は、光ではなく魂を見る目だ”」
以来、ナリ師は洞窟での修行を重ね、
霊界の構造や精霊たちの動きを“見る”術を授かったといいます。
それが後に、ある“絵”を生み出すきっかけになりました。
━━ 霊界の家を描く者 ━━
修行の終盤、ナリ師は霊界で「家」のようなものを見たといいます。
そこには、人々の運や縁、病や願いが、
まるで風の流れのように通っていた。
「家の中で財が淀む者は貧しく、
扉が閉じたままの者は孤独になる。
けれども、窓を開けば光が入るように、
霊界の家を整えれば、現実の家も息を吹き返す」
ナリ師はその“霊界の家”を、地上に写す方法を思いついたといいます。
修行を終えて洞窟を出た夜、
聖神カイ・ボランの声が再び彼女に告げました。
「人の魂の家を整え、その姿を描け。
その絵は現世の扉をも開くだろう」
こうして、ひとつの霊画——
“ティンジャー”が生まれたのです。
ティンジャーとは何か。
それは、霊界で見た家の姿を描き出す絵だとナリ師は言います。
財の流れ、縁の通路、健康の庭……それぞれの家はまったく異なる形をしている。
描かれた一枚が、どのようにして現実に作用するのか。
次回は、その“ティンジャー”の秘密と、
実際にその絵によって人生が変わった人々の話をお届けします。
――では、次回に。
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2025年12月14日




