異星人がもたらした隕石「ワープコスモロフィ」①
【アメリカ・ロサンゼルス】
ダウンタウンの雑踏を少し離れると、閑散としたお店の並びにひっそりと佇むカフェがある。
Cognoscenti Coffee – DTLA。
旅の途中、私はここの雰囲気とコーヒーが好きで、
ロサンゼルスに来るたび足を運んでいた。
アメリカ在住で長年の付き合いのあるニコラスが紹介したい人がいると、
そのカフェで待ち合わせしたのは2023年のことだった。
ニコラスがわざわざ引き会わせてくれるのだから、何かあるのだろうと思って話を聞くと、奇想天外ともいえるようなエピソーを聞くことができた。
紹介されたのは、アメリカの大学で天文学を学ぶ リュウ兄弟――
兄ウォーレン氏、弟モーリス氏。
彼らは座ると、迷いのない眼差しでこう切り出した。
「異星人に呼ばれた場所でワープ・コスモロフィ(隕石)が姿を表したんだ」
コーヒーの香りが一瞬で薄れ、静かな午後はそこから一気に現実離れした色を帯び始める。
【ウォーレン氏を襲った時間停止のヴィジョン】
彼らの話は、にわかには信じがたい内容だった。ウォーレン氏が語ってくれたのは、まだ彼が20代前半だったころの出来事である。
当時、彼と弟のモーリス氏は、隕石研究のために モロッコ・カサブランカへ一時移住していた。
モロッコは世界有数の隕石落下地帯として知られ、乾いた大地は
“宇宙からの贈り物”を見つけるには最適の土地だったという。
ある深夜のことだ。
モーリス氏を助手席に乗せ、ふたりは フォレ・ブスクラ公園のあたりをゆっくりと走っていた。
街の灯りが遠のき、風の音だけが車内に響く静かな夜だった。
そのとき――
赤く光る球体が空から降下してくるを見たという
火球か?
そう思う間もなく、光は軌道を変え、まるで意志を持つかのように、車へ向かって急接近してきた。
ウォーレン氏が反射的にハンドルを切ろうとした瞬間、
世界はふいに止まった。
車内の空気が凍りついたように沈黙し、ただひとつ、脳裏に直接入り込んでくる映像だけが鮮明だった。
白銀の肌をした存在。深い黒い目。細長い首。そして、周囲に広がる黄色と水色の光のオーラ。ウォーレン氏に語りかける声。
「この星に落ちる隕石には二種類ある。ひとつは小惑星や彗星の破片。
もうひとつは――われわれが“意図的に投下する”隕石だ」
そこから先は、考えるより早く理解が流れ込んできたのだと彼は語った。
その“意図的な隕石”は、地球人の目覚めを促すためのものであり、それを手にした者は、生命力と意識のレベルが高まり、宇宙エネルギーを取り入れ、潜在能力が覚醒する。
異星存在は、それが“宇宙全体の調和を保つため”であると告げた。
そしてもうひとつ
「この場所に落ちている隕石を、回収しなさい」
ウォーレン氏の頭の中に、カサブランカから南へ10時間ほど 移動した地点の詳細な位置情報が突然浮かび上がった。
ふいに視界が戻り、ハンドルを握る自身の手が震えていることに気づいたとき、彼はこう思ったという。
――自分は白昼夢を見たのだろうか?
ところが、助手席のモーリス氏も同時に、“メッセージ”を受け取っていた。
兄弟の目が合った瞬間、疑いは消え、ただひとつの確信だけが残った。
「あの地点へ行かなければならない」
兄弟は数日の準備を経て、示された地点へと車を走らせた━━━
あの地点で兄弟を待っていたもの――その全貌を、第二話で明らかにしていく。
2025年12月14日







